2025年9月28日 飯能キリスト聖園教会 礼拝説教要約(若井和生師)
帰天者のお一人おひとりに、人生のある時に神と出会う時が与えられました。そしてその後の人生が大きく変えられました。神とともに歩む人生へと変えられたのです。今日は創世記に記されるヤコブという人物に注目します。ヤコブはどのようにして神と出会い、その後の人生はどう変えられたのでしょうか。
【1】 不本意な出発
「ヤコブはベエル・シェバを出て、ハランへと向かった(10)。」 ベエル・シェバとはヤコブが父イサク、母リベカ、兄エサウと共に生活をしてきた場所です。ハランとは母リベカの兄ラバンとその家族が住んでいる町です。なぜヤコブはべエル・シェバを出て、ハランへと向かったのでしょうか。
兄エサウと父イサクを欺いて、本来兄が譲り受けるはずの長子の権利をヤコブが横取りしてしまったからです。それ以後エサウはヤコブを恨み、殺意さえ抱くようになりました。その事実を知った母リベカがヤコブのいのちを守るために、ヤコブを兄ラバンの下へと送り出すことにしたのです。
それまで平和だった家庭は崩壊してしまいました。よってこれはヤコブにとって穏やかな出発ではありませんでした。重い過去を引きずりながら、逃げ出すような形で家を去ることになったのです。
【2】 私はそれを知らなかった
ヤコブはある場所に着き、そこで一夜を明かすことにしました。彼は夢を見ました。天と地を結ぶはしごを天の御使いたちが上り下りしている夢です。そしてその時に神の声が聞こえてきました。「あなたが横たわっているこの地を、あなたとあなたの子孫に与える。地のすべての部族はあなたによって祝福される。わたしはあなたとともにいて、あなたを守り、あなたをこの地に連れ帰る(13〜15)。」 このように語りかけ神はヤコブを励ましてくださったのです。
眠りから覚めた時ヤコブは言いました。「まことに主はこの場所におられる。それなのに、私はそれを知らなかった。」 ヤコブは主なる神がともにおられるのに、その事実を知らなかったと告白しました。そのことをその時初めて知った、ということです。
ヤコブは祝福された家庭の中で育てられてきました。信仰者である両親を通して神を知り、神の祝福をたくさん受けてきました。しかし、それでもヤコブは神と真に出会っていませんでした。家を出され、孤独になり、裸にされて初めて神との真実な出会いが与えられたのです。
私たちも人生の中で裸にされてしまう時があるように思います。生身の自分を思い知らされる時です。私たちは自分の姿を直視したくありません。それゆえに必要以上に努力を重ねたり、名前にこだわったり、プライドが高くなったりしてしまいます。
でもすべてを失って裸にされた時に私たちも気づかされるのではないでしょうか。「神は私とともにいてくれたのに、私はそれを知らなかった」と。そんな神との真実な出会いにすべての人が招かれているのです。
【3】 ここは天の門だ
ヤコブはさらに言いました。「この場所は、なんと恐れ多いところだろう。ここは神の家にほかならない。これは天の門だ(17)。」 神に対する恐れをヤコブは与えられました。彼が本当に神と出会ったことがわかります。そこはまさに神の住まわれる「神の家」と呼ばれる場所でした。
しかもその場所をヤコブは「ここは天の門だ」と呼びました。ヤコブは夢を通して教えられました。天と地はつながっていること、天という世界は意外に近くにあること、日常の歩みの中にあることを彼はその夢を通して教えられたのです。
天とは死んだ後に行く場所でしょうか。実は天は私たちのすぐそばにあります。私たちの日常の歩みの中にあります。神がおられるところ、そこに天につづく門が開かれているのです。
【4】 連れ帰る神
神はヤコブに「あなたをこの地に連れ帰る」と約束してくださいました。その時まで神は彼とともにいて、どこへ行っても彼を守ると約束してくださいました。その時からヤコブの神とともに歩む生涯が始まったのです。
実際にはその後のヤコブの人生には苦労が絶えませんでした。ハランの地で家庭を築いて行きますが、その家庭においても問題が絶えることはありませんでした。実際にヤコブが、約束の地に帰ることができたのは、彼の死後のことだったのです。苦労の多い人生でしたが、しかし神は絶えずヤコブとともにいてくださいました。そして確かに神はヤコブを約束の地に連れ戻してくださったのです。
先に天に変えられた帰天者の皆さんも、人生のある時期に神と出会い、神とともに歩む祝福の生涯へと変えられました。そして神様が約束してくださった通りにお一人おひとりを「神の家・ベテル」に連れ戻してくださいました。
私たちの人生にもわざわいが多く苦労が絶えませんが、主がともにおられる人生が開かれています。私たちのすぐそばにおられる神をどうか知ることができますように。主とともに歩む人生を踏み始めていきましょう。