2025年7月27日 飯能キリスト聖園教会 礼拝説教要約(若井和生師)
【1】 教会の姿
今日与えられている箇所でヨハネは、子どもたち、父たち、若者たち、幼子たち…と呼びかけながら、この手紙を書き記していることがわかります。「子どもたち」「幼子たち」との呼びかけは、教会全体に対する呼びかけだったと考えられます。その他にも「父たち」「若者たち」とヨハネは呼びかけています。ヨハネの手紙を読む読者たちには、高齢者も若い人たちもいたことがわかります。
ヨハネはそれぞれの世代に対して違う励ましのことばを記しています。それぞれの世代にそれぞれの必要があり、それぞれにふさわしい励ましがあります。ヨハネはそれらを一つの手紙に併記することによって、それぞれの世代がそれぞれの世代の必要と励ましを理解し、共有することができるように配慮しました。
現代社会が抱えている課題の一つは、世代間の格差や対立が大きくなっていることです。その格差や対立が、教会内にもたらされることもあります。しかし教会は今の時代から救い出された人々の集まりです(ガラテヤ1:4)。格差や対立を越えて一つになることができます。若い人々には若い人々の、高齢者には高齢者の課題と必要があります。それらを互いに覚え合い、理解し合うところから、愛し合う関係は始まるのです。
【2】 あなたがたの罪が赦されたから
今日の箇所を読んでいて気づかされるもう一つのことがあります。それはヨハネが繰り返し「私があなたがたに書いているのは」「私があなたがたに書いてきたのは」という言い方を繰り返し、ヨハネがこの手紙を書いている理由、書いてきた理由について言及していることです。
それぞれの人々、それぞれの世代に対してのいろいろな理由があります。しかし、それらはすべて神から与えられ、与えられ続けている特権を確認するためのものです。理由のすべては、完了形で記されています。つまり。罪が赦されたことも、初めからおられる方を知るようになったことも、悪い者に打ち勝ったことも、すべて神からすでに彼らに与えられた恵みであり、今日までも与えられ続けている特権でした。
信仰者になった後も兄弟を憎み、それゆえに闇の中を歩んでしまう彼らにとって(2:11)必要なこと、それはすでに与えられた恵みと特権を覚えることです。彼らにすでに与えられた救いの事実を確認することです。そしてそこから信仰生活を見直し再構築していくことが、彼らには求められたのです。
【3】 みことばによる勝利
教会全体に対しては彼らが父なる神を知るようになったこと、父たちにはキリストを知るようになったことが、覚えられています。高齢者の方々にはキリストを知るようになったことが、ことさら大事で確認されなければならない恵みであったことがわかります。
ヨハネは若者たちに対して、特に丁寧に励ましを与えていることがわかります。ヨハネが彼らにこの手紙を書いてきた理由は何だったでしょうか。それは彼らが悪い者に打ち勝ったから。若い人々に対しては現実の歩みにおける勝利が、何よりも大きな励ましでした。特に14節では彼らが強い者であったことが確認されています。
若い人たちは本当に「強い者」だったのでしょうか。その場合、その強さの根拠はどこにあったのでしょうか。かつて神はギデオンに向かって「力ある勇士よ」と呼びかけたことがあります(士師記6:12)。その時ギデオンはミディアンとの戦いを恐れて、ぶどうの踏み場に隠れて小麦を打っていたのです。勇士とはとても呼べない臆病者でした。
そんなギデオンが勇士に変えられて、ミディアンとの戦いにおいてイスラエルに勝利をもたらしたのはどうしてだったでしょうか。それはみことばが与えられて主に信頼する者に変えられたからです。
Ⅰヨハネの手紙の中で若者たちが強い者と呼ばれ、悪い者に打ち勝てたのはどうしてだったでしょうか。神のことばが彼らのうちにとどまったからでした(14)。神のことばが私たちの内にとどまる時に、何が生まれるのでしょうか。私たちの神に対する信頼が生まれます。弱い者が強くされるのは、私たちがみことばを聞いて、そのみことばが私たちの内にとどまった結果なのです。
その一方で、みことばが私たちの内にとどまらずに素通りしていく時に、私たちはすぐに自分の肉的な思いに捕らわれます。そして自分の正しさを主張し、人をさばくようになってしまうのです。
【4】 むすび
詩篇119篇の著者は「どのようにして若い人は自分の道を清く保つことができるでしょうか」と問いかけました。その答えは「あなたのみことばのとおりに道を守ることです」というもの(9)。そのために必要なのは、みことばを心に蓄える私たちの取りくみです(11)。
私たちはぜひ若い方々に、救いと希望を提供する教会を目指したいと思います。若者たちにはみことばが必要です。みことばのとおりに道を守る取り組みが必要です。若者たちに対する理解と祈りから、始めていきましょう。