老人は夢を見、青年は幻を見る         ヨエル書2章28~32節

2024年5月19日 飯能キリスト聖園教会 ペンテコステ礼拝説教要約(若井和生師)

【1】 ペンテコステ
 本日はペンテコステ記念礼拝です。イエス様が天にお帰りになった後、エルサレムにて祈っていた弟子たちの上に聖霊が降りました。使徒の働き2章に記述されるその出来事が、ペンテコステと呼ばれています。聖霊に満たされたペテロの説教を通して、その日エルサレムに集まっていた多くの人たちが悔い改めに導かれ、イエス・キリストを救い主として信じ、その結果その日に教会が誕生しました。よって、ペンテコステとは教会の誕生日でもあります。
 その日、聖霊に満たされた弟子たちが、他国のいろいろなことばで話し始めた姿を見て、驚いたり戸惑ったりする人が大勢いました。その中には「彼らは新しいぶどう酒に酔っているのだ」と言って、嘲る人たちもいたのです。そのような批判に対してペテロは、今まだ朝の9時なので彼らは酔っているのではないこと、そして「これは、預言者ヨエルによって語られたことです」と言って、ヨエル書の預言の成就であることを人々に告げました。その箇所が今日、私たちに与えられている箇所です。
 このことは聖霊降臨の出来事も教会の誕生も、神の救いのご計画の中でずっと以前から定められていたことを表しています。この日を境として「聖霊の時代」「教会の時代」と呼ばれる新しい時代がやってきました。聖霊が力強く働かれる時代、そして教会を通して主の救いのみわざが実現していく時代です。
 私たちは皆、この時代に生かされています。そのような時代認識を私たちはしっかりと持たせていただきたいと思います。

【2】 誰に聖霊が降るのか
 預言者ヨエルは、紀元前800年頃に南ユダ王国で活躍した預言者だったと言われています。この時代にイスラエルを襲った一つの災いがありました。それはいなごの襲来です。「噛みいなごが残した物は、いなごが食い、いなごが残した物は、バッタが食い、バッタが残した物は、その若虫が食った(1の4)」 様々な種類のいなごの大群によって、すべての緑や作物が食いつくされてしまうという大きな災いでした。
 その時に預言者ヨエルに神から託されたメッセージとは、もっと大きな悲劇がやって来るということ。「地に住むすべての者は、恐れおののけ。主の日が来るからだ。その日は近い。それは闇と暗闇の日。雲と暗黒の日。数が多く、力の強い民が、暁とともに山々の上に進んで来る(2の1~2)」 いなごよりももっと恐ろしい敵の大群と、それによって大きなわざわいがもたらされる「主の日」が来るとヨエルによって警告されました。
 その上でヨエルが語ったのは民に悔い改めを迫るメッセージです。「心のすべてをもって、断食と涙と嘆きをもって、わたしのもとに帰れ(2の12)。」 神の元から去っていった民に向かって「わたしのもとに帰れ」と語る神のメッセージを、ヨエルは伝えたのでした。
 そして神が民をいかに愛し、あわれんでおられるか(2の18)を伝え、その民の真ん中に主がご臨在くださることを約束してくださいました(2の27)。そして聖霊降臨の預言へと続くのです。
 どのような人に聖霊は与えられるのでしょう。それは時のしるしを見極めた上で神のことばに聞き、神に立ち返り、神との関係を回復させた人です。その人の上に神は神の霊を注いでくださいます。私たちを聖霊で満たしてくださるのです。

【3】 終わりの日のしるし
 聖霊降臨の日に何が起こったのでしょうか。第一にすべての人に神の霊が注がれました。旧約聖書の時代には一部の選ばれた人々に注がれていた聖霊が、この時からは信じるすべての人に注がれることになりました。第二に、すべての人がみことばを語り始めました。その日には息子や娘は預言し、老人は夢を見、青年は幻を見ることが預言されていました。旧約聖書の時代に神は、夢やまぼろしを通して人々にみことばを与え、みこころを示しました。つまり、この時から老人も青年も、すべての人がみことばを語るようになったのです。
 そして、すべての人が神の救いのご計画の前進のために、用いられます。「聖霊の時代」「教会の時代」の到来とは、同時に「終わりの日」の到来を表しています。主の大いなる恐るべき日が迫っています。その日は太陽が闇に、月は血に変わる日です。しかし、主の御名を呼び求める者は、みな救われます(31~32)。その救いの恵みを伝えるために、私たちは選ばれたのです。

【4】 むすび
 教会に来て救いに導かれたことは、単なる偶然ではありません。また私たちの個人的なことでもありません。それは主の永遠のご計画の中で定められていたことです。主のご計画の実現のために私たち一人一人が選ばれたのです。
 力もない弱い私たちに何ができるのでしょうか。しかし、そんな私たちのために聖霊は与えられました。「聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります(使徒の働き1の8)」 私たちも聖霊によってぜひ夢を見、まぼろしを見させていただきましょう。そして、聖霊の力によってみことばを語り、主のお働きの前進のために用いさせていただきましょう。