イザヤ書15章

イザヤ15          モアブに対する宣告



・ 一 夜 の う ち に 

 モアブとイスラエル・ユダとの関係

  モアブ民族の起源(創世記19:30-37)、アブラハムの甥ロトの子孫

  イスラエルが約束の地に入るに際して(民数記22-24 、バラムを用いて)

  モアブはイスラエルの会衆から除外(申命記23:3)、されどルツのこと

  ダビデとモアブ(・サムエル22:3-4, ・サムエル8:2)



 ・『モアブは滅ぼされた』

   一夜のうちに(千年も過ぎ去れば・・夜の間の一時のごとし。詩篇90:4)

    滅び行くものの儚さ

アル(アルノン川の谷の南の居住地か?)

   キル・モアブ(南部の主要都市)

   ディボン(中部の主要都市)、破壊は南方から始まって全国に広がる。



 ・『モアブは宮に上る』

   宮

   泣くために

   ネボとメデバ(ネボはモーセが約束の地を見た山、申命記34章)

   傷心と悔い改めの装い、遅すぎたか? 悔い改め?

    頭をみな剃り落とし

    ひげも切り取り

    荒布を腰に巻き

    屋上や広場で泣く



・『私の心はモアブのために叫ぶ』

   モアブ破壊の預言には、嘲笑的な含みがなく、むしろ同情的です。

モアブを裁くのは誰か? モアブの為に嘆くのは誰か?

 以下にはモアブの逃げまどう姿が絵画的に描写されている。悲しみの叫びが聞こえてく

るようです。私たちは震災の災害報道を見聞きして心を痛めるが、現地にそれを見る程に

は衝撃を受けません。結局、間接的に見聞きする事は、心にも間接的にしか伝わらないの

です。されど、何一つ見過ごすことのない神の痛みは如何ばかりか。

   ツォアル(ロトの避難場所、創世記19:22)その意味は「小さい」

  エグラテ・シェリシャ(ほふられる子牛の意)

   ルヒテ

   ホロナイム(洞窟)

   ニムリム(豹)の水



  ・逃走

  ・泣き声

  ・水は血に

  ・さらに災い加わる



 ・『のがれた者に』

   獅子を向ける(やりすぎてはいないか?)

   憐れみは残されていないのか?

   裁きは峻厳を極める

   望みは神の心の中にある痛みから生じる。