イザヤ書13章

イザヤ13       バビロンに対する宣告



 この13章から23章までは周辺の国々に対する裁きの宣言です(アモス1:3-2:16) 後にエ

レミヤ、エゼキエルもこれを継承している。預言者たちはイスラエルの神、主が単に民族

の神ではなく全世界の創造者、支配者であると認識している。

 ハムラビ法典で知られるバビロン王国は遙か昔に滅び去り、イザヤ時代のメソポタミヤ

はアッシリヤ帝国が支配しており、ネブカデネザルの新バビロン帝国が起こるのは、百年

も後のことです。しかも預言者は、これから登場するバビロンの滅亡を預言しています。

 バビロンの罪は人間悪の最高の象徴か(黙示録14:8,16:19,17:5,18:10)



・ 招 集 と 閲 兵 (1ー5)

  ・その目的、怒りを晴らすため

    『旗を掲げ』神の慈愛と峻厳を思う(雅歌2:4)

   『貴族の門』(首都の重要な城門のことか)

  ・その数の夥しさ(マタイ26:53)

  ・その手段、『聖別された者たち』

    『遠い国』とはアッシリヤとバビロンの東の山地(今日のイラン)のことか

     そこからクロス(B.C.550-530)がペルシャを起こす。彼はB.C.538 年にバビロ

ン帝国を滅ぼした。このクロスがユダの解放者となった。(44:28, エズラ1:1)

   『主とその憤りの器』(10:5)



・ 主 の 日 (6ー16)

・『主の日は近い』破局としての日、(ピリピ4:5)

全能者から破壊が来る。神だけが正当な破壊者です。

    ここにはイザヤの得意の語呂合わせが見られる(シャダイとシヨード)

その容赦無き有り様(ヘブル10:31)

  ・『主の日が来る』残酷な日。

    罪人たちを根絶やしにする。

    天変地異

    人の減少(されど絶滅に非ず)

・『燃える怒りの日』

大地は揺れ動き

    人は散らされ

    幼児も虐殺

    家財は略奪

婦女は凌辱



・ メ デ ィ ア 人 の 登 場 (17ー22)

  ・『金をも喜ばず』

    金銀に買収されずと言うことか(或いは金銀よりも虐殺を楽しむことか)

    憐れみのない

    徹底的な破壊

  ・『そこには永久に住む者もなく』(徹底的な破壊、ソドムとゴモラに比せられる)

    定住者が無く

    遊牧民も訪れず

    野獣と野鳥の住処となる

 ・『その日は延ばされない』

    預言者には裁きの日が待った無しとみえる

されど、荒野に道を開き、砂漠に川を流れさせるのは私たちの主の業(35:6-7)