2021年５月23日　飯能キリスト聖園教会　礼拝説教要約（若井和生師）

　今日はペンテコステ記念礼拝です。私たちはクリスマスを盛大にお祝いしますが、ペンテコステをお祝いすることはあまりありません。しかし、ペンテコステはクリスマスと同じくらい重要な日です。ペンテコステは聖霊なる神様がこの地上に来られたことをお祝いする日だからです。

【１】 聖霊の降臨
　イエス・キリストが復活された日から50日目の日曜日、エルサレムに集まって祈っていた弟子たちの上に、聖霊が降りました。その時、二つの超自然現象を伴ったことがわかります。第一に天から突然、激しい風が吹いてきたような響きが起こったこと、第二に炎のような舌が分かれて現れ、一人ひとりの上にとどまったことです（２）。「風」も「炎」も聖霊を象徴的に表すことばで、「舌」はことばを表し、聖霊に満たされた弟子たちが雄弁に語り始めたことを表しています。聖霊が誰の目にも明らかなように、はっきりと弟子たちの上に降ったことがわかります。
　しかも聖霊は、そこにいた「一人ひとり」の上に留まりました。旧約聖書の時代には選ばれた特別な人にだけ与えられていた聖霊が、この日より、イエス・キリストを信じるすべての人に、その一人ひとりに与えられるようになりました。　聖霊は主イエスを信じるすべての人に注がれています。信仰者である私たち一人ひとりに与えられている恵みなのです。

【２】 聖霊を受ける時に起こること①：満たし
　聖霊を受けた弟子たちに三つの変化が起こりました。第一に、弟子たちは聖霊に満たされました（４）。聖霊に伴う動詞として「受ける」「臨む」「降る」「注ぐ」などがありますが、一番多いのは「満たす」という動詞です。聖霊なる神様が私たちになす第一の働きは「満たし」であることがわかります。
　その前提になっている事実は、私たちが充分には満たされていないということです。私たちの心のどこかに、満たされない空虚な部分があるのです。その欠けを私たちはどこかで意識します。そのため、その欠けを満たすためにいろんな努力をします。ある人は仕事で、ある人はお金で、ある人はお酒で、ある人は異性との関係で…。一時的に満たされたと感じても、それは長続きしません。そして新たな満たしを求めてしまうのです。
　私たちを根本から満たすことのできる方は聖霊なる神様だけです。聖霊を受けた弟子たちが満たされたように、私たちも聖霊を受けて満たされましょう。

【３】 聖霊を受ける時に起こること②：支配
　二番目に、弟子たちは聖霊に支配されました。聖霊に満たされた弟子たちは「御霊が語らせるままに」話し始めました。語っているのは弟子たちですが、そのことばを語らせているのは聖霊です。つまり聖霊の支配の下で、弟子たちは話し始めたのです。
　「支配される」などと言われると、私たちはそれを頑なに拒んでしまうのではないでしょうか。私たちは誰にも支配されたくありません。自分は自分でいたいのです。しかし、それゆえに私たちたちは満たされることがありません。満たされたいと皆が願っているのに、聖霊に支配されることを拒んでしまうために、いつまでたっても満たされることがないのです。
　私たちの心に御霊に入ってもらう時に、私たちは実は自由にされます。そして神様に創造された時の本来の自分に回復されていきます。よって私たちに必要な体験はイエス・キリストを信じ、古い自分に死に、聖霊に満たされることです。その時に御霊の導きの中で、生き生きと歩むことができるのです。

【４】 聖霊を受ける時に起こること③：宣教
　三番目に、弟子たちは神のみわざを語り始めました。彼らが宣教を始めた、ということです。聖霊に満たされた弟子たちは、他国のいろいろなことばで話し始めました。丁度その時、エルサレムには外国に寄留していたたくさんの人々が集まっていました。弟子たちは神の大きなみわざを、彼らに伝わることばで話し始めたのです。つまり弟子たちは聖霊の力を得て、福音を語り始めました。
　イエス様の弟子であることを恐れて隠れていた弟子たちが、人々の前で堂々と語り始めました。しかもイエス様が十字架にて処刑されたエルサレムにおいてです。そのような大きな変化を弟子たちはどのように経験したのでしょうか。彼らの上に聖霊が下り、彼らが力を得たからです。そして聖霊の導きのままに自由に大胆に神のみわざを語り始めました。その結果、福音が全世界に伝えられていったのです。

【５】 結び
　イエス・キリストを信じる私たち一人ひとりにも、約束の聖霊が与えられています。その私たちはどれだけ満たされているでしょうか、支配されているでしょうか、そして語っているでしょうか。心の王座を神様の前に差し出し、しっかりと聖霊なる神様に来ていただきましょう。私たちの心の中で聖霊に住んでもらいましょう。そして満たされたいと思います。さらに　大胆にみことばを語る者とならせていただきましょう。