もう一人の助け主          ヨハネの福音書14章25~31節

2025年6月8日 飯能キリスト聖園教会 礼拝説教要約(若井和生師)

 本日はイースターより数えて50日目のペンテコステ記念礼拝です。私たちに聖霊なる神様が伴ってくださる恵みをともに覚え合いましょう。

【1】 もう一人の助け主
 与えられている箇所はヨハネの福音書14章、これはイエス様が弟子たちと最後の食事をともにする「最後の晩餐」の場面です。弟子たちとの別れの時が近づいていました。イエス様の語られることばの端々に、そのことが感じられます。
 「これらのことを、わたしはあなたがたと一緒にいる間に話しました。(25)」 「あなたがたと一緒にいる間に」とのことばから、イエス様が弟子たちと一緒にいる時間はもう長くない、というニュアンスが伝わってきます。イエス様はまだ彼らと一緒にいるうちに、大事なことをお伝えしました。何について伝えられたのでしょうか。16節でこのようにお伝えしました。
 「そしてわたしが父にお願すると、父はもう一人の助け主をお与えくださり、その助け主がいつまでも、あなたがたとともにいるようにしてくださいます。」
 父なる神様が「もう一人の助け主」、つまり聖霊を弟子たちに与えてくださることを伝えました。しかも、父なる神様はイエス様のお願いを受けて、聖霊を弟子たちに与えてくださることがわかります。
 イエス様はなぜ聖霊を弟子たちにお与えになるように、神様にお願いしてくださったのでしょうか。それはご自分が去って行かれた後で、弟子たちは気落ちして力を失ってしまうことを、イエス様はよくご存知だったからです。
 イエス様は私たちのためにも父なる神様にお願いしてくださいました。神様はイエス様のとりなしを受けて、聖霊を私たちにくださいました。私たちが気落ちしないため、この世で力強く歩んでいくためです。イエス様と神様の私たちに対する愛とご配慮に感謝しましょう。

【2】 ともにおられる
 弟子たちに与えられると約束された聖霊の別の名は「もう一人の助け主」です。この方はどんな助け主なのでしょうか。どのように私たちを助けてくださるのでしょうか。
 第一にこの方はいつまでも私たちとともにいてくださいます。そのようにイエス様は弟子たちに約束してくださいました。イエス様はもうすぐ、天にお帰りになられます。よってこの地上にイエス様はおられなくなります。しかし、神様は「もう一人の助け主」を送ってくださいます。イエス様がおられた時と同じように助けてくださるもう一人の助け主です。
 しかもこの方はある意味でイエス様以上のお方です。なぜならイエス様は17節でこのように言われたからです。「この方はあなたがたとともにおられ、また、あなたがたのうちにおられるようになるのです。」 この方はともにおられるだけではありません。私たちの内側に住んでくださいます。そのようにして私たちを内側から満たし、整え、導いてくださるのです。

【3】 教えてくださる
「しかし、助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。(26)」
 この方はまた私たちにすべてのことを教え、イエス様が私たちに教えてくださったことを思い起こさせてくださいます。この方は「真理の御霊」と呼ばれます(17)。聖霊はみことばを通して私たちに真理を示してくださいます。苦しい時、迷った時、判断に悩む時に、みことばを通して教え、さらに教えられているみことばを思い起こさせて、私たちを真理の道に導いてくださるのです。

【4】 平安を与えてくださる
 「わたしはあなたがたに平安を残します。わたしの平安を与えます。わたしは、世が与えるのと同じようには与えません。あなたがたは心を騒がしてはなりません。ひるんではなりません。(27)」
 さらに聖霊なる神様は私たちに平安を与えてくださいます。それは主がともにおられ、主が教えてくださることの必然的な結果です。同事に心の深いところにも平安を与えてくださいます。それは私たちのすべての罪が赦されているという平安です。「平安」と訳されている「エイレーネ」ということばは「平和」とも訳せることばで、これは神様との関係において平和をもっているという意味です。
 私たちにとって最大の平安は、私たちが罪の問題で解決を得ているという平安です。いずれ神のさばきの座に立つ時が来ても、そこでさばかれることはない、という平安です。イエス・キリストにある信仰によってこの平安が与えられていることを、聖霊は私たちに思い起こさせてくださるのです。

【5】 むすび
 イエス様が与える平安はこの世が与える平安とは全く違います。それは聖霊によって与えられる全き平安なのです。私たちは何に平安を求めているでしょうか。ぜひ聖霊なる神様に心の内に住んでいただき、全き平安で満たしていただきましょう。