祈りの力  詩篇17篇1~15節

2023年8月20日 飯能キリスト聖園教会 礼拝説教要約(山村 英夫師)

ダビデの祈りを通して祈りについて見ていきます。

①祈りとは
ダビデの祈りが書かれている詩篇17篇の祈りがどのような状況の中から出てくるのかを見ていきます。ダビデはこの祈りの中で、神さまに激しく訴えています。
まず1節で「主よ、聞いてください 正しい訴えを」から始まり、「耳に留めてください 私の叫びを」そして「耳に入れてください 私の祈りを」と訴えています。更に6節では「あなたは私に答えてくださる」という神さまに対する強い確信が表現されています。
 なぜのような祈りがなされているのか、その理由が2節~5節、9節~15節で表現されています。ダビデがこの祈りに導かれたのは自分の身の安全が脅かされる危険な目に遭ったからでしょう。それは自分が仕えるサウル王から命を狙われた時かもしれませんし、ペリシテをはじめとする諸外国との戦いの中で命の危険を感じた時のことかもしれません。いずれにせよ、この祈りを祈った時のダビデは神さまにどうしても祈って助けを求めたい気持ちでした。更に、2節~5節、10節~15節で、ダビデは精一杯主なる神さまに仕えていたことと自分のいのちを狙う者たちの様子を描いています。さて、この祈りを通して祈ることがどれほどダビデにとって必要で大切なことであったのかを見ることができます。
 またダビデは1節、6節~9節の祈りを通してどれだけ神さまを信頼し、自分の必要を強く訴えているのかということを表しています。これはまた、祈りが神さまとの深い交わりであるという事、神さまへの信頼の深さを表しています。ダビデならずとも、人は誰でもその歩みの中で困難や厳しい状況に出会うことがあります。思いがけない困難や、問題に出会ったり,まさかこんなことがと、悲嘆にくれるようなことが起こってくるものです。そんな時に私たちはよく、なぜ?と言ってしまいます。しかし、なぜ?という言葉の後に神さまに祈ることができるのです。今、自分の身に起こっていることを受け入れることができないかもしれませんし、理解することは難しいことかもしれません。だからこそ、祈るのです。「あなたは 私に答えてくださるからです」との確信をもって祈るのです。たとえ短い時間の祈りであったとしても祈るのです。神さまとの交わりの時を大切にすることこそ私たちにとって必要なことです。

②祈りの答え
 ダビデは6節で「神よ 私はあなたを呼び求めました。あなたは私に答えてくださるからです。」と祈っています。ダビデの神さまに対する信頼として、祈ったことに対して神さまは必ず答えてくださるという確信を持っていたのです。祈りは必ず答えられるのです。祈った事柄がすぐに答えられ実現することもあります。すぐに実現しないこともあります。そのいずれであったとしてもパウロがピリピ6節~7節で言っていますように祈りの答えとして平安が与えられるのです。たとえ今すぐにその答えがなくても神さまは最善の時に最善の形でその答えを与えてくださいます。