御国の姿:からし種とパン種        マタイの福音書13章31~33節

2023年2月5日 飯能キリスト聖園教会 礼拝説教要約(若井和生師)

 「天の御国は・・・に似ています」「・・・のようなものです」という言い方で、イエス様は御国の姿をいろんなたとえで表しています。天の御国は何に似ているのでしょうか。イエス様は今日の箇所で「からし種」と「パン種」に似ているとお話しになっています。「からし種」「パン種」から表されている御国の姿とは、どのようなものでしょうか。

【1】 小さい
 第一にそれは小さい、ということです。からし種は他の種とくらべてもはるかに小さい、粒のような小ささです。パン種に至っては私たちの目に見えません。弟子たちの中で「御国は何に似ているか」と問われて「からし種」「パン種」と答えることができた人は、一人もいなかったことでしょう。
 当時の人々にとって御国とは「ダビデ王朝の再来」を表していました。その時の彼らはローマ帝国によって完全に支配されていました。しかし、メシアと呼ばれる救い主がやって来て、あのダビデの時代に繁栄したイスラエル王国のような強大な国を建設し、ローマの支配から解放してくれると、彼らは信じていたのです。よって彼らにとって御国とは、大きくて強い国でした。
 イエス様によって示された御国のイメージは、それとは180度違うものでした。それは「からし種」や「パン種」のように、小さいものだったのです。
 御国は「ここにある」とか「あそこにある」と言えるものではなく、目に見えない世界です。しかし、それは確かに存在していて私たちのただ中にあることを覚えましょう(ルカ17の20~21)。
 
【2】 生長する
 御国の二番目の特徴は何でしょうか。それは生長することです。小さなからし種から大きな木が成長し、どんな野菜よりも大きくなり、空の鳥が来てその枝に巣を作るほどになります。またパン種を小麦粉の中に混ぜると全体が膨らんで大きくなります。
 からし種は御国の外面的・量的成長を表していると考えられます。パン種は御国の内面的・質的成長を表していると考えられます。いずれにせよ、小さな種が大きく生長します。種の小ささからはとても想像できないくらいの大きさに生長します。そしてそれが歴史の中で明らかにされていることです。
 イエス様がこの世に来られ弟子たちを集めて御国の建設を始められた時、その御国は広い世界の中にあって「からし種」や「パン種」のような小さな国でした。ところがその後の2000年の歴史の中で、この御国はたえず生長し続けました。その間、激しく迫害されたり、弾圧されたりしたことも多くありましたが、それにも関わらず確実に生長し、世界中に広がっていきました。この御国は今でも生長を続けているのです。
 この世に「帝国」と呼ばれる偉大な国が多く起こりましたが、どの帝国も繁栄を極めた後、衰退したり、消滅したり、崩壊したりしました。しかし御国だけは確実に生長し続けているのです。
 その御国が私たちの下にもやって来ました。そして今私たちは、その御国の中に生かされています。神の不思議な導きの中で私たちも御国の民とされたのです。

【3】 いのちがある
 御国の三番目の特徴、それはいのちがある、ということです。小さなからし種が大きく生長したのも、小さなパン種が小麦粉全体を膨らませたのも、その中にいのちがあったからです。その中にいのちが満ちていることが、御国の最大の特徴です。
 マタイの福音書8~9章にはイエス様と出会って人生を変えられた多くの人々が記されています。イエス様によって病を癒してもらった人、悪霊を追い出していただいた人、罪を赦してもらった人、友達になってもらった人・・・彼らはイエス様と出会って人生が変えられました。そしてイエス様のいのちによって生かされる人に変えられました。
 このいのちはどこにあるのでしょうか。種の中にあります。そして種とは「みことば」を表しています。御国を生長させる力とは、みことばの力なのです。人間の力ではありません。人間の努力や功績でもありません。それは、みことばそのものの中にあるのです。
 私たちは種蒔きに励まなければなりません。種が蒔かれなければ、人々は救われないからです。同時に私たち自身が種によって生かされる必要があります。

【4】 むすび
 今日のたとえ話は、「麦と毒麦」のたとえと、そのたとえの解き明かしの間に挿入されていることがわかります。毒麦は確かにこの世界にはびこり続けます。悪の存在に私たちは悩まされ続けます。
 しかし御国はそれ以上の力をもって生長し続けます。私たちは毒麦のはびこる世の中にあって、みことばを宣べ伝えていきましょう。みことばのいのちに生かされていきましょう。そのようにして、御国を証しさせていただく者とならせていただきたいと思います。
 

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