最後まで耐え忍ぶ人          マタイの福音書10章21~23節

2022年3月13日 飯能キリスト聖園教会 礼拝説教要約(若井和生師)

【1】 家族の中からの迫害
 信仰者は時に迫害に耐えなければなりません。イエス様の弟子たちも、同胞のユダヤ人や異邦人から迫害を受けると、イエス様は彼らにお伝えになられました(17~20)。迫害は身内である家族の中からもやってくることがわかります。

「兄弟は兄弟を、父は子を死に渡し、子どもたちは両親に逆らった立ち、死に至らせます(21)」

 このように、信仰ゆえに兄弟間にも親子間にも深刻な分裂が引き起こされ、その迫害は時に、死に至るほど激しい迫害になり得ることがわかります。私たち信仰者は多かれ少なかれ皆、家族からの迫害を経験するのではないでしょうか。
 キリスト者はなぜ家族から迫害されるのでしょうか。それは家族の絆以上に大事な絆をもっているからです。私たちと私たちを創造された神様、さらに、私たちの救いのために死んでくださったイエス様との絆は、地上の家族との絆よりもさらに強いものです。よって私たちも時に、家族からの迫害を覚悟しなければなりません。

【2】 最後まで耐え忍ぶ人
 次にイエス様は「また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれます」と弟子たちに語られました。
 なぜ彼らはすべての人に憎まれるのでしょうか。それは「わたしの名のため」、つまり、弟子たちがイエス様を信じているからであり、さらに、彼らがイエス様に似ている、イエス様を表す存在だからです。
 イエス様は「義のために迫害されている者は幸いです(5の10)」と語られました。私たちはこの世から救い出され御国の民とされました。神様との関係の中に歩む者となりました。そんな私たちの存在は、世の人々に自らが罪人であることを悟らせます。世の光とされた私たちは結果的に、この世の闇を明らかにするのです。それゆえに私たちはこの世から疎まれます。イエス様がそうだったように、すべての人々から憎まれます。
 しかしイエス様は、「最後まで耐え忍ぶ人は救われます」と弟子たちに語られました。「最後まで耐え忍ぶこと」が弟子たちに求められたのです。
 「最後まで」とはいつまでのことを表しているのでしょうか。それは第一に、「人生の最後まで」つまり「死の時まで」という意味です。イエス様は黙示録2章10節で「死に至るまで忠実でありなさい」と命じています。私たちの人生は苦しみの連続です。しかし私たちは自分のために生きているのではありません。主のために生きています。主に最後まで忠実であることが求められています。
 「最後まで」とは次に、「イエス・キリストの再臨の時まで」という意味です。23節には「人の子が来るときまで」ということばがあり、イエス・キリストの再臨の時がこの箇所で意識されていることがわかります。イエス様の再び来られる時まで、この世では苦しみが絶えることはありません。特にキリスト者は信仰ゆえの迫害に晒され続けます。
 しかし私たちは、はかないこの世に希望を置くのではなく、やがて来る御国を待ち望む者たちです。「天においてあなたがたの報いは大きい(5の10)」と約束されています。それゆえに私たちは迫害の中にあっても、喜ぶことができるのです。

【3】 逃げることの大切さ
 イエス様は弟子たちに対して、迫害された時は別の町へ逃げるよう命じられました(23)。イエス様が弟子たちに逃亡を進めておられる興味深い箇所です。教会の歴史の中で殉教が美化される傾向がその後強まっていきますが、イエス様は殉教を勧めておられません。むしろ、可能な限り逃げるようにと命じられています。迫害を恐れて逃げることは恥ずかしいことではなく、大事なことなのです。
 イエス様は「まことに、あなたがたに言います」と前置きをされた後、「人の子が来るときまでに、あなたがたがイスラエルの町々を巡り終えることは、決してありません(23)」と弟子たちに教えられました。イエス・キリストが再臨される時まで、弟子たちの逃亡は終わることはないのでしょうか。弟子たちはいつまでもイスラエルの町々を巡り続けるのでしょうか。
 これはキリストの弟子たちが全世界を巡りながら、福音を宣べ伝えることを表しています。主の弟子たちは町々、村々を巡り歩いて福音を宣べ伝えます。その働きはイエス様が再臨されるその時まで終わることはありません。しかも、そのために迫害が用いられるのです。
 この世には患難が絶えずあります。しかし、キリストの愛から私たちを引き離すものは何もありません(ローマ8の35~39)。私たちに与えられている神様からの絆は天から与えられた恵みです。このキリストにあって私たちはこの世にあって圧倒的勝利者になります。迫害があっても、この恵みは私たちから離れることはありません。
 しかも迫害さえもみこころの前進のために用いられます。すべては主の主権の中にあるのです。患難の中にともにおられる主を覚え、この方に従っていきましょう。 

 

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