ヨベルの年を祝う       レビ記25章1~12節

2020年11月29日 飯能キリスト聖園教会 礼拝説教要約(若井和生師)

【1】 すべては主のもの
 一週間の中に安息日があり、一年の中に「過越の祭り」や「仮庵の祭り」などの主の例祭があり、イスラエルの民は毎週、毎年、この世のリズムではなく、神様の定められたリズムの中に生きるよう導かれていました。さらに長い人生においても、同じような主の導きがあったことがわかります。
 7日目が安息日であったように、7年目は安息年でした(1~7)。この一年は種蒔きも刈り入れも、あらゆる労働が禁止です。地のための全き休みであり、その年に自然に生る作物は、貧しい人々や家畜や獣たちのものでした。6年働いて7年目が一年休みというのはいかがでしょうか。羨ましいようでもあり、また今後の生活のことを考えて、心配になることかもしれません。
 この一年を通して主の民が学んだこと、それは地もそこに住んでいるすべてのものも、主のものであるということです。土地も畑も主から委ねられたものであり、そこで与えられる収穫も財産も主からの恵みでした。さらに人はこの地上にあっては旅人であり寄留者に過ぎません。安息年を経験することによってイスラエルの民は、自分の力ではなく主に生かされる者とされていったのです。
 私たちには安息日はあっても、安息年はありません。しかし、私たちに与えられているもの、土地も家も家族も人生も、すべては主のものであることを覚えたいと思います。

【2】 求められる信仰
 7年毎に安息年を7回祝った後の50年目は、さらに特別な年でした。ヨベルの年と呼ばれ、すべての住民に解放が告げられる年でした。この年も一年間お休みです。この年に人は自分の本来の所有地、家族の下に帰ることができました(10)。経済的な事情で土地を他人に売ってしまった人でも、ヨベルの年にその土地は所有者に返されました。貧しさのゆえに自らを奴隷として売ってしまった人も、この年には解放されて自由になることができました。安息年以上にヨベルの年に、人々は土地も人も、自分たちのものではないこと、神様の所有であることを実感させられました。
 49年目は安息年で、さらに50年目もヨベルの年で、お休みが2年間続くことになります。その間、何を食べたらよいのでしょうか。どのように2年間を生きていったらいいのでしょうか。そんな心配になる人がイスラエルの中にもいたことが20節を読むとわかります。しかし、それに対する神様の答えは「わたしは6年目に、あなたがたのためにわたしの祝福を命じ、3年分の収穫を生じさせる」というものでした(21)。6年目に何と三年分の収穫を主が用意して下さると言うのです。
 このことを人々は信じることができたでしょうか。来年のことが不安になって働いてしまった人がいたのではないかと想像します。安息年とさらにヨベルの年を過ごすためには、信仰が必要とされたことがわかります。
 でもそのことを通してイスラエルの民は「人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばで生きる(マタイ4の4)」ことを学んでいきました。パンは大事です。私たちにとってパンも財産も生活の糧もみな大事なものです。しかし、人はパンだけで生きるのではありません。みことばによって生きます。みことばに対する信頼が求められています。

【3】 将来の解放と自由の日を待ち望む
 土地が元の所有者に戻り、奴隷が解放されるという年が50年に一度やって来ました。人々は、このヨベルの年を念頭に置きながら土地や奴隷を売買し、また売った土地を再び買い戻す「買戻しの権利」も、認められていました。よって売買が促進され、勤勉が奨励されました。ヨベルの年があるために金持ちが必要以上に儲けすぎることはなく、貧しい者が極度の貧困に陥ることもありませんでした。50年に一度リセットされるので、父の怠惰の結果として子どもが貧しさの中に喘ぐということもありませんでした。このような公正な社会は、富や権力のバランスによって成立したのではなく、民が共に神様を恐れた結果でした(17)。
 人類は、聖書が提示するこの理想社会を、今まで築き上げたことがありません。イスラエルの民はこのような恵みを50年毎に経験しながら、与えられた恵みに感謝し、同時にやがて約束されている解放と自由の日の訪れを待ち望みました。
このヨベルの年は、実は私たちの未来に約束された希望を表しています。罪人である私たちは今、楽園から追放され、この世と言う荒野での厳しい生活を強いられています。この世の悪にまみれ、サタンの誘惑にさらされ、罪と死の奴隷状態が続いています。
しかし、いつの日かラッパの音とともにヨベルの時がやってきます。私たちに天の資産が与えられ、天の家族の下に帰り、奴隷状態から完全に解放されて、自由とされる時がやってきます。私たちの主イエス・キリストが再臨されて新天新地が完成する時が、その時です。そんなヨベルの年の訪れを待ち望みながら、みことばに拠り頼みつつ、信仰をもって歩んでいきましょう。

【祈り】この地上にあって、地上の価値観から自由にされ、天を仰ぎながら信仰をもって歩んでいくことができますように。

  • 「○○○○」は、○○○○○○○○のオリジナルブランドです。伝統的な技術をもとに、自由な発想で新製品を開発しました。
  • ここにTOPICSが入ります。ここにTOPICSが入ります。ここにTOPICSが入ります。